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会社法改正試案が明らかに

法律情報2018.01.16

法制審議会(会社法制部会)で作業を続けている会社法改正試案が明らかになりました。

以下、1月16日付日本経済新聞1面より

「法制審議会(法相の諮問機関)の会社法制部会(部会長・神田秀樹学習院大院教授)がまとめた会社法改正の試案が15日明らかになった。企業と株主の対話促進と取締役会の改革といった2つの柱を掲げ、1人の株主が株主総会で提案できる議案数を最大10に制限することや、社外取締役の設置の義務付けの是非などを打ち出した。2月に開く同部会で正式決定する。パブリックコメント(意見公募)を経て議論を再開し、2018年度中に要綱案をまとめる。政府は19年の通常国会に会社法改正案の提出をめざす。」

株主提案について、乱用的行使を制限するために、1人の株主の株主提案権を5から10に制限することや、社外取締役の設置の義務付けなどが改正試案の主な内容です。

東証が2015年にコーポレートガバナンスコードを導入したため、現在でも上場企業の9割が社会取締役を設置しています。そこで、わざわざ法律で義務付ける必要はないとの意見もあります。

しかしながら、上場をしていても社外取締役を設定していない会社などは、ガバナンスが有効に機能していないことがあると思われます。社外取締役を設置していても、ガバナンスが有効に機能しえないのは、東芝の例を見ても明らかですが、社外取締役を設置しない企業よりは、まだガバナンスが有効に機能し得ると思われます。

また、今回の改正試案では、一定の規模を満たした会社であれば、非上場会社であっても社外取締役の設置を義務付けます。非上場会社の場合、上場会社と比較すると、ガバナンスが有効に機能しえず、株主の権利が守られないことが見受けられるケースが多いといえます。しかしながら、ここを手当てすることで、より資金を拠出する投資家にとって良い環境になり、かえって非上場会社にとってもプラスになることが多くなると思われます。

その意味でも、社外取締役の設置の義務付けは必要といえると思われます。